GTX1080をKraken G12で簡易水冷化
GPUのファンがイカれてきてしまい、大変もったいないのでなんとかしようと簡易水冷化をやってみたら、意外と簡単…と思ったらちょっとトラップにはまってしまった…。
問題のGPUはZOTAC GeForce GTX 1080 AMP Editionというやつ。まあWebサイトにはめっちゃ冷えるみたいなことが書いてあるのでハズレを引いただけかもだが、とにかく買った当初からあんまり冷えず、あっという間に80℃をこえ、90℃が近づいてきて、すぐクロックが落ちてきてしまう子だった。

最近特にひどいな、と思いつつもまあ夏だしそんなもんかと放置していたら、PCからジジジジジジ…みたいな音がし始め、見てみるとこのGPUの片方のファンが原因、とわかった。
どうも熱でファンの回転軸が歪むか油漏れするかで、がたが来て、音がする & 抵抗が増して回転数が減少という状態になっていたみたい。GTX1080は200Wぐらいなので、さすがにファンx1で今後使用する、というのは厳しいものがあるわけで、まあ「使えない子」になってしまった。
ところが、いまでこそGTX1080は7万円程度だが、買った当時(2016/07)は9万ぐらいはしたわけで、はいさようなら、というわけにはいかないのだった。
で、調べてみると、最近はGPUの簡易水冷化なるものができるらしいので、GTX1080を復活させるべく、試してみることにした。まあ、どうせ保証期間(1年)も切れてるし、これじゃあ売れないし…。
※ GPUクーラーの取り外しは保証対象外となってしまうので、自己責任で行ってください。
とりあえずGPU外観。ヒートシンクとファンがでかいので冷えそう、と見せかけてあまり冷えないのであった。…個体差なのかもともとなのか…?




環境
まず今回の環境から。
R7 1700 @ 3.2GHz, 1.025V
Asrock AB350 Pro4 (BIOS 2.60)
DDR4-2400, 2ch
GTX1080 (ZOTAC GeForce GTX 1080 AMP Edition) (片方のファンに異常あり)
Antec P100
作業前の状態を確認するため、FFXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマークを実行してみた。ケースの中が多少は温まった状態で測定したかったので、今回はベンチマークの2周目をスコアとして利用した。実行方法は、まずベンチマークを1周させて、それが終わってだいたい10秒ほどしたらGPU-Zのログを有効にして、それから再度実行する、というもの。
ベンチマークの設定はこんな感じにしてみた。
3840x2160, DX11, フルスクリーン, 高品質(デスクトップPC)
GPUは、とくにOCなどを行っていないが、ファンの片方の回転が非常に遅く、加熱し過ぎしてしまう危険があったので、MSI AfterburnerからGPU温度のみを88℃に制限した。(電力制限は100%のまま)
スコアは7795。

まず、GPUの温度を見てみると、片方のファンに以上があることもあり、あっという間に温度が設定しいた上限の88℃まで上がってしまった。

温度が設定した上限である88℃になってしまったので、クロックがすこしづつ下がり続けている。どうやらクロック下げても下げてもまだ88℃を超えそうになる、という状態のようだ。

それにともなって、電力使用量もじりじりと下がり続けている。

というわけでまあ、かなりひどい状態みたい。あとファンがジジジジ言ってかなーりにぎやかだ。
簡易水冷化
そこで登場するのがKraken G12。(箱は白だけど、中身は黒です)

このマウントキットを使うと、割合簡単に簡易水冷にできるようだ。
紹介記事: ascii 【鉄板&旬パーツ】CPU簡易水冷キットをGPUに流用できるマウンターに注目
仕組みとしては、まずGPUのファンは取り外して、そのうえでマウントキットを使って別途用意した簡易水冷をGPUに装着する、という流れらしい。注意しないといけないのは、Kraken G12はGPUのリファレンスモデルを基準として作られているので、GPUのオリジナルファンモデルだと穴やチップの配置などが変わっている可能性があって、うまくつけられないということがあるみたい。それでも「多くのGPUでは問題ない」ようなので、挑戦してみることにした。
GPUクーラーの取り外し
というわけで、もとのクーラーを外してみる。この4箇所 (+ この写真の外の同じネジの1箇所)を外せば、すんなり外すことができた。

取り外したクーラー。GPUチップ(GP104)のある位置にはグリスがあり、これで熱を伝えている。また、GDDR5Xメモリにもなにかの接着シートみたいなのでヒートシンクに熱を伝えるようになっていることがわかる。

クーラーを取り外すと、GP104チップとGDDR5Xメモリ、そして電源回路などが確認できる。こういうところは、写真ではともかく実物を見る機会はなかなかないので、見れてよかった。電源回路には、小さなヒートシンクが付いていて、これで冷却しているみたい。

チップまわりを拡大。

これにマウントキットを取り付けていく。
Kraken G12 マウントキット
マウントキットの中身。マウント用の金具とネジ、それから9cmファン(3pin, 1500rpm)がひとつついてくる。

ファンを取り付けるとこんな感じ。単に簡易水冷にしてしまうと、GPUチップ以外のGDDR5Xメモリ、電源回路などが冷えなくなってしまうので、この9cmファンで冷却する仕組みになっているようだ。

マウントするため、下の写真の金具をGPUボードに取り付ける。

こんな感じ。

この金具を取付るためのネジも当然付属するが、その長さは(当たり前だけど)「普通の」ボードの厚さに合わせてある。何が言いたいかというと、バックプレートの存在は考慮されていない。
今回のGPUはバックプレートがあったが、幸いにして取り付け穴の位置には大きめの穴が空いていて、問題なくGPUボードに直接ネジ止めすることができた。これがバックプレートの上からネジ止めする必要があるボードだったとすると(そんな板があるのかわからないが)、マウントキット付属のネジでは取り付け出来ず、より長いネジが必要になるところだった。

ボードの表側にもぎりぎりなところはあった。下の写真、金具の右手前の穴の位置の近くにはチップがあって、背が低いチップだったので問題なく装着できたものの、もし背がもう少し高いチップだったら危なく装着できないところだった。(そういうチップはここには実装されない…のかもしれないが)

金具の装着でメモリチップは8枚中5枚が隠れてしまったが、残りの3枚には念のため、放熱用のヒートシンクをつけておいた。

なんか中華製の適当なやつを適当に設置。このぐらいの高さなら大丈夫。(ANBE チップ用マルチヒートシンク テープ付き AB-19A 8個入り: 高さ 8mm)

簡易水冷化作業
さて、ここまではわりかしすんなり来たのだが、ここからが…。
まず、Kraken G12が対応している簡易水冷はサイトにたくさん載っているけど、実はそれほど入手性は良くない。
・NZXT Krakenシリーズ → 今結構な品薄
・Corsair H105, H110, H90, H75, H55, H50 → なんか1世代前の古いもので、入手困難。
・Thermaltake Water 3.0 Riing RGB 360, 280, 240, Red 280, 140, Water 3.0 Ultimate, Extreme S, Extreme, Pro, Performer Water 2.0 Extreme, Pro, Performer → まあまあ見かける?
・Antec KUHLER H2O 920V4, 620V4, 920, 620 → あまり見ない、Mercuryのほうはよく見るが…
・Zalman LQ-320/315/310 → あまり見ない?
というわけで、今回は28cmラジエータのThermaltake Water 3.0 Riing 280を用意した。一応無理をすれば(※)Antec P100ケースの天板に設置できるはず。
※ Antec P100への28cmラジエータ搭載は、ネジ穴の位置の関係で8点止はできず、4点止になる点に注意

28cmラジエータはさすがの大きさで、よく冷えそうだ。



グリスは、Thermal GrizzlyのHydronautを用意した。熱伝導率は11.8W/m・Kと高め。また、使ってみるとその謳い文句通り比較的柔らかめで使いやすかった。

あとは、GPUチップにグリスを載せ、その上に水冷ヘッドをマウントキットを使って固定してあげればいい。これは特に難しくなく、あっさりできてしまった。

問題は、この簡易水冷化GPUをマザーボードに取り付けた上で、ラジエータをケース(Antec P100)天板につけようとしときで、水冷のチューブが短くて届かなかったorz。
どうやら、Thermaltake Water 3.0 Riing 280はチューブが326mmと短いのが仇となったみたい。完全に調査不足だった…。
(写真撮り忘れ)
しょうがないので、試しにCryorig A80(28cmラジエータ、チューブ 350mm)で試してみた。Kraken G12は特にCryorig A80にも対応しているとは書いていないが、固定する金具の形が同じなので、問題なくマウントキットには装着できた。

でも、天板には届かないんですよねー(棒)。

あとちょっとなんだけどねー(棒)。(写真だとわかりずらいけど、あと数cmのとこにラジエータがあります)

ちなみにCryorig A80のほうがThermaltake Water 3.0 Riing 280よりチューブが長いのに届かないのは、Cryorig A80はヘッドとの接続部分が回転できないので、そこで長さをロスしているため。
結局…
はい、いろいろしくじった結果、秋葉ですね。

なんとか、Kraken X42 (14cmラジエータ、チューブ 400mm)をゲット。ちなみにX52 (24cmラジエータ)、X62 (28cmラジエータ)は売り切れぽかった。
チューブ 400mmがポイント。

14cmはx1でも十分大きい。

再度マウントキットで取り付けて、

今度こそ、天板に取り付け完了。

Kraken X42/X52/X62といえば、イルミネーションだけど、きれいに光ります。まあ、せっかく光ってくれても、ケース閉めちゃえばわからんのだけど…。

ふー。やっとたどりつけました。
…下調べは大事だというお話です。
簡易水冷化GTX1080テスト
さて、どのくらい冷えるのか、ということで、もう一回、同じ条件でFFXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマークを実行してみた。
まず、スコアは7795から8249に上昇。そこそこ効果あり?

そこそこどころじゃない効果があったのがGPU温度。48℃までしか上がっていない。素晴らしい…。

温度が低く保たれているため、GPUクロックも1974MHzを維持できている。

クロックが上がった分、消費電力は増加。

※追記 2017.10.09
Kraken G12 + Kraken X42で簡易水冷化すると、簡易水冷のポンプの厚みによって「3スロット占有」の状態。その下にGPUなどをさらに追加する場合には、注意が必要。
簡単にPCIスロットを図にしてみると、こんな感じ。
PCIスロット
↓
0. ---
1. --- ←ここにKraken G12 + Kraken X42で簡易水冷化したGPU
2. --- 当然ここには挿せない
3. --- ここも挿せない
4. --- ここには挿せるが、バックプレートのあるGPUだとかなりぎりぎりかも。
5. --- ここなら余裕
6. ---
いろいろあったが挑戦してよかった
というわけで、調査不足のせいもあって、いろいろやっちゃった感はあるけれど、最終的にはファンの壊れたGTX1080を復活、という目標は達成できたし、負荷時のGPU温度を大きく下げられたので良かった。
まあ、今回の比較は、比較対象が片方のファンの動きが悪いGTX1080なので、正当な評価ではないけど、それでも簡易水冷化の効果は非常に大きい。個人的には、GPUの排熱をケース内に滞留させることなく、ケース外に直接吐き出せるというのがよいと思う。
ただ、もしろんGPUクーラーの取り外しは、保証対象外となってしまうから、今回は保証も切れ、売れもしないGPUになってしまったから挑戦したものの、保証期間内だったらまずやらないだろうと思う。
また、(仕方ないとは思うが)簡易水冷マウントキットがいつでも問題なく使用できると保証されているわけではないというのもリスキーだと思う。今回使用したGPUでは問題なく使用できたが、(おおよそ大丈夫なのだろうとしても)他のオリジナルファンモデルでも大丈夫だという保証はない。
それでも、うまくいかないリスクを覚悟できれば挑戦する価値はある非常に面白い商品だと思う。個人的には、ファンが壊れてしまったGPUを復活できたということで、このマウントキットにはとても感謝している。
問題のGPUはZOTAC GeForce GTX 1080 AMP Editionというやつ。まあWebサイトにはめっちゃ冷えるみたいなことが書いてあるのでハズレを引いただけかもだが、とにかく買った当初からあんまり冷えず、あっという間に80℃をこえ、90℃が近づいてきて、すぐクロックが落ちてきてしまう子だった。

最近特にひどいな、と思いつつもまあ夏だしそんなもんかと放置していたら、PCからジジジジジジ…みたいな音がし始め、見てみるとこのGPUの片方のファンが原因、とわかった。
どうも熱でファンの回転軸が歪むか油漏れするかで、がたが来て、音がする & 抵抗が増して回転数が減少という状態になっていたみたい。GTX1080は200Wぐらいなので、さすがにファンx1で今後使用する、というのは厳しいものがあるわけで、まあ「使えない子」になってしまった。
ところが、いまでこそGTX1080は7万円程度だが、買った当時(2016/07)は9万ぐらいはしたわけで、はいさようなら、というわけにはいかないのだった。
で、調べてみると、最近はGPUの簡易水冷化なるものができるらしいので、GTX1080を復活させるべく、試してみることにした。まあ、どうせ保証期間(1年)も切れてるし、これじゃあ売れないし…。
※ GPUクーラーの取り外しは保証対象外となってしまうので、自己責任で行ってください。
とりあえずGPU外観。ヒートシンクとファンがでかいので冷えそう、と見せかけてあまり冷えないのであった。…個体差なのかもともとなのか…?




環境
まず今回の環境から。
R7 1700 @ 3.2GHz, 1.025V
Asrock AB350 Pro4 (BIOS 2.60)
DDR4-2400, 2ch
GTX1080 (ZOTAC GeForce GTX 1080 AMP Edition) (片方のファンに異常あり)
Antec P100
作業前の状態を確認するため、FFXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマークを実行してみた。ケースの中が多少は温まった状態で測定したかったので、今回はベンチマークの2周目をスコアとして利用した。実行方法は、まずベンチマークを1周させて、それが終わってだいたい10秒ほどしたらGPU-Zのログを有効にして、それから再度実行する、というもの。
ベンチマークの設定はこんな感じにしてみた。
3840x2160, DX11, フルスクリーン, 高品質(デスクトップPC)
GPUは、とくにOCなどを行っていないが、ファンの片方の回転が非常に遅く、加熱し過ぎしてしまう危険があったので、MSI AfterburnerからGPU温度のみを88℃に制限した。(電力制限は100%のまま)
スコアは7795。

まず、GPUの温度を見てみると、片方のファンに以上があることもあり、あっという間に温度が設定しいた上限の88℃まで上がってしまった。

温度が設定した上限である88℃になってしまったので、クロックがすこしづつ下がり続けている。どうやらクロック下げても下げてもまだ88℃を超えそうになる、という状態のようだ。

それにともなって、電力使用量もじりじりと下がり続けている。

というわけでまあ、かなりひどい状態みたい。あとファンがジジジジ言ってかなーりにぎやかだ。
簡易水冷化
そこで登場するのがKraken G12。(箱は白だけど、中身は黒です)

このマウントキットを使うと、割合簡単に簡易水冷にできるようだ。
紹介記事: ascii 【鉄板&旬パーツ】CPU簡易水冷キットをGPUに流用できるマウンターに注目
仕組みとしては、まずGPUのファンは取り外して、そのうえでマウントキットを使って別途用意した簡易水冷をGPUに装着する、という流れらしい。注意しないといけないのは、Kraken G12はGPUのリファレンスモデルを基準として作られているので、GPUのオリジナルファンモデルだと穴やチップの配置などが変わっている可能性があって、うまくつけられないということがあるみたい。それでも「多くのGPUでは問題ない」ようなので、挑戦してみることにした。
GPUクーラーの取り外し
というわけで、もとのクーラーを外してみる。この4箇所 (+ この写真の外の同じネジの1箇所)を外せば、すんなり外すことができた。

取り外したクーラー。GPUチップ(GP104)のある位置にはグリスがあり、これで熱を伝えている。また、GDDR5Xメモリにもなにかの接着シートみたいなのでヒートシンクに熱を伝えるようになっていることがわかる。

クーラーを取り外すと、GP104チップとGDDR5Xメモリ、そして電源回路などが確認できる。こういうところは、写真ではともかく実物を見る機会はなかなかないので、見れてよかった。電源回路には、小さなヒートシンクが付いていて、これで冷却しているみたい。

チップまわりを拡大。

これにマウントキットを取り付けていく。
Kraken G12 マウントキット
マウントキットの中身。マウント用の金具とネジ、それから9cmファン(3pin, 1500rpm)がひとつついてくる。

ファンを取り付けるとこんな感じ。単に簡易水冷にしてしまうと、GPUチップ以外のGDDR5Xメモリ、電源回路などが冷えなくなってしまうので、この9cmファンで冷却する仕組みになっているようだ。

マウントするため、下の写真の金具をGPUボードに取り付ける。

こんな感じ。

この金具を取付るためのネジも当然付属するが、その長さは(当たり前だけど)「普通の」ボードの厚さに合わせてある。何が言いたいかというと、バックプレートの存在は考慮されていない。
今回のGPUはバックプレートがあったが、幸いにして取り付け穴の位置には大きめの穴が空いていて、問題なくGPUボードに直接ネジ止めすることができた。これがバックプレートの上からネジ止めする必要があるボードだったとすると(そんな板があるのかわからないが)、マウントキット付属のネジでは取り付け出来ず、より長いネジが必要になるところだった。

ボードの表側にもぎりぎりなところはあった。下の写真、金具の右手前の穴の位置の近くにはチップがあって、背が低いチップだったので問題なく装着できたものの、もし背がもう少し高いチップだったら危なく装着できないところだった。(そういうチップはここには実装されない…のかもしれないが)

金具の装着でメモリチップは8枚中5枚が隠れてしまったが、残りの3枚には念のため、放熱用のヒートシンクをつけておいた。

なんか中華製の適当なやつを適当に設置。このぐらいの高さなら大丈夫。(ANBE チップ用マルチヒートシンク テープ付き AB-19A 8個入り: 高さ 8mm)

簡易水冷化作業
さて、ここまではわりかしすんなり来たのだが、ここからが…。
まず、Kraken G12が対応している簡易水冷はサイトにたくさん載っているけど、実はそれほど入手性は良くない。
・NZXT Krakenシリーズ → 今結構な品薄
・Corsair H105, H110, H90, H75, H55, H50 → なんか1世代前の古いもので、入手困難。
・Thermaltake Water 3.0 Riing RGB 360, 280, 240, Red 280, 140, Water 3.0 Ultimate, Extreme S, Extreme, Pro, Performer Water 2.0 Extreme, Pro, Performer → まあまあ見かける?
・Antec KUHLER H2O 920V4, 620V4, 920, 620 → あまり見ない、Mercuryのほうはよく見るが…
・Zalman LQ-320/315/310 → あまり見ない?
というわけで、今回は28cmラジエータのThermaltake Water 3.0 Riing 280を用意した。一応無理をすれば(※)Antec P100ケースの天板に設置できるはず。
※ Antec P100への28cmラジエータ搭載は、ネジ穴の位置の関係で8点止はできず、4点止になる点に注意

28cmラジエータはさすがの大きさで、よく冷えそうだ。



グリスは、Thermal GrizzlyのHydronautを用意した。熱伝導率は11.8W/m・Kと高め。また、使ってみるとその謳い文句通り比較的柔らかめで使いやすかった。

あとは、GPUチップにグリスを載せ、その上に水冷ヘッドをマウントキットを使って固定してあげればいい。これは特に難しくなく、あっさりできてしまった。

問題は、この簡易水冷化GPUをマザーボードに取り付けた上で、ラジエータをケース(Antec P100)天板につけようとしときで、水冷のチューブが短くて届かなかったorz。
どうやら、Thermaltake Water 3.0 Riing 280はチューブが326mmと短いのが仇となったみたい。完全に調査不足だった…。
(写真撮り忘れ)
しょうがないので、試しにCryorig A80(28cmラジエータ、チューブ 350mm)で試してみた。Kraken G12は特にCryorig A80にも対応しているとは書いていないが、固定する金具の形が同じなので、問題なくマウントキットには装着できた。

でも、天板には届かないんですよねー(棒)。

あとちょっとなんだけどねー(棒)。(写真だとわかりずらいけど、あと数cmのとこにラジエータがあります)

ちなみにCryorig A80のほうがThermaltake Water 3.0 Riing 280よりチューブが長いのに届かないのは、Cryorig A80はヘッドとの接続部分が回転できないので、そこで長さをロスしているため。
結局…
はい、いろいろしくじった結果、秋葉ですね。

なんとか、Kraken X42 (14cmラジエータ、チューブ 400mm)をゲット。ちなみにX52 (24cmラジエータ)、X62 (28cmラジエータ)は売り切れぽかった。
チューブ 400mmがポイント。

14cmはx1でも十分大きい。

再度マウントキットで取り付けて、

今度こそ、天板に取り付け完了。

Kraken X42/X52/X62といえば、イルミネーションだけど、きれいに光ります。まあ、せっかく光ってくれても、ケース閉めちゃえばわからんのだけど…。

ふー。やっとたどりつけました。
…下調べは大事だというお話です。
簡易水冷化GTX1080テスト
さて、どのくらい冷えるのか、ということで、もう一回、同じ条件でFFXIV 紅蓮のリベレーター ベンチマークを実行してみた。
まず、スコアは7795から8249に上昇。そこそこ効果あり?

そこそこどころじゃない効果があったのがGPU温度。48℃までしか上がっていない。素晴らしい…。

温度が低く保たれているため、GPUクロックも1974MHzを維持できている。

クロックが上がった分、消費電力は増加。

※追記 2017.10.09
Kraken G12 + Kraken X42で簡易水冷化すると、簡易水冷のポンプの厚みによって「3スロット占有」の状態。その下にGPUなどをさらに追加する場合には、注意が必要。
簡単にPCIスロットを図にしてみると、こんな感じ。
PCIスロット
↓
0. ---
1. --- ←ここにKraken G12 + Kraken X42で簡易水冷化したGPU
2. --- 当然ここには挿せない
3. --- ここも挿せない
4. --- ここには挿せるが、バックプレートのあるGPUだとかなりぎりぎりかも。
5. --- ここなら余裕
6. ---
いろいろあったが挑戦してよかった
というわけで、調査不足のせいもあって、いろいろやっちゃった感はあるけれど、最終的にはファンの壊れたGTX1080を復活、という目標は達成できたし、負荷時のGPU温度を大きく下げられたので良かった。
まあ、今回の比較は、比較対象が片方のファンの動きが悪いGTX1080なので、正当な評価ではないけど、それでも簡易水冷化の効果は非常に大きい。個人的には、GPUの排熱をケース内に滞留させることなく、ケース外に直接吐き出せるというのがよいと思う。
ただ、もしろんGPUクーラーの取り外しは、保証対象外となってしまうから、今回は保証も切れ、売れもしないGPUになってしまったから挑戦したものの、保証期間内だったらまずやらないだろうと思う。
また、(仕方ないとは思うが)簡易水冷マウントキットがいつでも問題なく使用できると保証されているわけではないというのもリスキーだと思う。今回使用したGPUでは問題なく使用できたが、(おおよそ大丈夫なのだろうとしても)他のオリジナルファンモデルでも大丈夫だという保証はない。
それでも、うまくいかないリスクを覚悟できれば挑戦する価値はある非常に面白い商品だと思う。個人的には、ファンが壊れてしまったGPUを復活できたということで、このマウントキットにはとても感謝している。
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