i7 6700K (Skylake) オーバークロック
今度はi7 6700Kをオーバークロックしてどこまでいけるか試した。
SkylakeではHaswellで導入されたFIVRがなぜかなくなり、また電圧の供給方法が変更となった。その詳細はこちらの図で見ることができ、これを参考に電圧設定を行うことができる。
注意書き
オーバークロックは自己責任で行ってください。
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i7 6700Kのメモリ帯域
i7 6700K (Skylake) エンコードベンチマーク
構成と結果
構成としては、冷却力がある程度はあると思う。ただ、やや古めの12cm x2の簡易水冷なので、i7 5960X環境の冷却力と比べると、それなりに劣ることになる。
負荷(x265エンコード)中の様子
デスクトップ

x265エンコード中、CPU使用率=100%のとき、ATuning読みで83℃。かなり厳しい状況となっている。
CPU-Z




ATuning

Skylakeでのオーバークロック
もっとも大きいのはFIVRがなくなったこと、BCLKによるオーバークロックが容易になったこと。今回はこのBCLKを有効に活用してオーバークロックした。(設定値: 112.3MHz)
これは、メモリのオーバークロックを可能にするため。今回DDR4-3400を用意したが、メモリ倍率が1:11 (BCLK 100MHz x 1.33 x 11 x 2 = 2933MHz)を超えると、まったく起動しなくなってしまった。そこで、BCLKをあげていくことで、DDR4-3400に近い速度での動作ができるようになった(BCLK 112.3 x 1.33 x 11 x 2 = 3294)。BCLKによる影響を受けるのは、コア・キャッシュ・メモリ・SystemAgentのようで、それぞれに気を使う必要がある。SystemAgentもクロックが上がるので、今回VCCSAを大幅に引き上げている。
FIVRがなくなり、コアとキャッシュの電圧は同じとなるのだが、その一方でコアとキャッシュは別の倍率が指定でき、わたしの個体ではHaswellのとき同様、キャッシュのほうが「回らない」ようだった。
CPU-Z 1.72.1や、HWiNFO64 5.03などでは、まだSkylakeのコア電圧を正常に取得できない模様だ。そのため、今回はAsrockのマザーボード付属のATuningで電圧のチェックを行った。
今回のオーバークロックでは結果として、x265エンコード時に4.6GHzで83℃、ということになり、マザーボード読みであることを考えるとかなりぎりぎりで、これ以上はより冷却力の強いものを買うか、殻割りするかしなければ厳しいと思う。
ちなみに簡易水冷の吐き出す空気は、5960Xにつけている簡易水冷にくらべて圧倒的にぬるく、実際の熱量はたいしたことがないことがわかる。すなわち、6700Kを十分に冷やせないのは、やはりいまいましいグリスのせいである。
まあきっと来年にはNext GenerationなグリスとかいうものをつけたSkylake Refreshが出てくるのだと思われる。
詳細設定
CPU設定
CPU Ratio [Auto] → [All Core - 41]
CPU Cache Ratio [Auto] → [39]
Minimum CPU Cache Ratio[Auto]
BCLK Frequency [Auto] → [112.3125]
BCLK、コア電圧、キャッシュ電圧等を設定する。
BCLK Step [Auto]
BCLK Reset Range [Auto]
BCLKの微調整に使用すると思われる。
Spread Spectrum [Auto] → [Disabled]
オーバークロック時はDisabledが基本
Stable Delay [Auto]
CPU Amplitude [Auto]
CPU Slew Rate [Auto]
CPU PLL ORT [Auto]
ADFC HyperGear [Auto]
謎の設定
Boost Performance Mode [Max Non-Turbo Performance] → [Turbo Performance]
とりあえず「ターボ時のパフォーマンス優先」で。
Reliability Stress Rectrictor [Disabled]
FCLK Frequency [800MHz]
おそらく、SystemAgent等の周波数だと思われる。実際にはBCLKに影響されるが、設定値の表示は変更されないので注意。選択肢は400MHz / 800MHz / 1GHz。
Intel SpeedStep Technology [Enabled]
Intel TurboBoost Technology [Enabled]
Long Duration Power Limit [Auto]
Long Duration Maintained [Auto]
Short Duration Power Limit [Auto]
System Agent Current Limit [Auto]
CPU Core Current Limit [Auto]
GT Slice Current Limit [Auto]
GT Slice Frequency [Auto]
とりあえず全部自動で。
DRAM設定
DRAM Reference Clock [Auto] → [133MHz]
メモリクロックにx1.33を付与する(133MHz) / しない(100MHz)かどうか。高クロックを狙う場合は、133MHzとする必要があるだろう。
DRAM Frequency [Auto] → [DDR4-3293 (1:11)]
メモリクロックの設定、「DRAM Reference Clock」の設定値により選択肢が異なる。
CAS# Latency [Auto] → [16]
RAS# to CAS# Delay and Precharge [Auto] → [18]
RAS# Active Time [Auto] → [36]
Command Rate [Auto] → [1]
メモリタイミングの設定。
電圧設定
CPU Vcore Voltage [Auto] → [Fixed Mode - 1.280V]
選択肢は、Auto / Offset / Fixed。ここでは簡単なFixedを選択。
CPU Load-Line Calibration [Auto] → [Level1]
負荷時に電圧を維持しようとする強さ。今回はLevel1がより強く維持しようとするようだ。ここではLevel1としており、実際には高負荷時に電圧がさらに盛られるようになる(+0.05V程度)。
GT Voltage [Auto]
GT Load-Line Calibration [Auto]
DRAM Voltage [Auto (1.250V)] → [1.380V]
DRAM Activating Power Supply [Auto (2.500V)] → [2.600V]
DDR4メモリの電圧。
PCH +1.0Voltage [Auto]
VCCIO Voltage [Auto]
VCC PLL Voltage [Auto]
VCCSA Voltage [Auto] → [1.300V]
他の構成要素の電圧設定。
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i7 6700Kのメモリ帯域
i7 6700K (Skylake) エンコードベンチマーク
SkylakeではHaswellで導入されたFIVRがなぜかなくなり、また電圧の供給方法が変更となった。その詳細はこちらの図で見ることができ、これを参考に電圧設定を行うことができる。
注意書き
オーバークロックは自己責任で行ってください。
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i7 6700Kのメモリ帯域
i7 6700K (Skylake) エンコードベンチマーク
構成と結果
OS | Win10 Pro x64 |
CPU | Intel Core i7 6700K |
コア数 | 4C/8T |
動作周波数 (定格) | 4000MHz |
動作周波数 (定格TB) | 4200MHz |
キャッシュ容量 | L3=8MB |
BCLK | 112.3125MHz |
動作周波数 (OC:全コア) | 112.3 x 41= 4604MHz |
動作周波数 (OC:キャッシュ) | 112.3 x 39 = 4380MHz |
メモリ | G.Skill F4-3400C16Q-16GRBD (4GBx4) |
メモリ速度 (設定値) | DDR4-3294 Dual Channel |
理論帯域 | 52.7GB/s |
メモリタイミング (設定値) | 16-18-18-38-1 |
メモリ電圧 | 1.380V |
マザーボード | Asrock Z170 Extreme7+ |
dGPU | なし |
SSD | Plextor PX-128M3 128GB |
HDD | HGST HDN726060ALE610 6TB 7200rpm |
ケース | Antec P280 |
冷却 | Corsair H100i (12cmx2) |
構成としては、冷却力がある程度はあると思う。ただ、やや古めの12cm x2の簡易水冷なので、i7 5960X環境の冷却力と比べると、それなりに劣ることになる。
負荷(x265エンコード)中の様子
デスクトップ

x265エンコード中、CPU使用率=100%のとき、ATuning読みで83℃。かなり厳しい状況となっている。
CPU-Z




ATuning

Skylakeでのオーバークロック
もっとも大きいのはFIVRがなくなったこと、BCLKによるオーバークロックが容易になったこと。今回はこのBCLKを有効に活用してオーバークロックした。(設定値: 112.3MHz)
これは、メモリのオーバークロックを可能にするため。今回DDR4-3400を用意したが、メモリ倍率が1:11 (BCLK 100MHz x 1.33 x 11 x 2 = 2933MHz)を超えると、まったく起動しなくなってしまった。そこで、BCLKをあげていくことで、DDR4-3400に近い速度での動作ができるようになった(BCLK 112.3 x 1.33 x 11 x 2 = 3294)。BCLKによる影響を受けるのは、コア・キャッシュ・メモリ・SystemAgentのようで、それぞれに気を使う必要がある。SystemAgentもクロックが上がるので、今回VCCSAを大幅に引き上げている。
FIVRがなくなり、コアとキャッシュの電圧は同じとなるのだが、その一方でコアとキャッシュは別の倍率が指定でき、わたしの個体ではHaswellのとき同様、キャッシュのほうが「回らない」ようだった。
CPU-Z 1.72.1や、HWiNFO64 5.03などでは、まだSkylakeのコア電圧を正常に取得できない模様だ。そのため、今回はAsrockのマザーボード付属のATuningで電圧のチェックを行った。
今回のオーバークロックでは結果として、x265エンコード時に4.6GHzで83℃、ということになり、マザーボード読みであることを考えるとかなりぎりぎりで、これ以上はより冷却力の強いものを買うか、殻割りするかしなければ厳しいと思う。
ちなみに簡易水冷の吐き出す空気は、5960Xにつけている簡易水冷にくらべて圧倒的にぬるく、実際の熱量はたいしたことがないことがわかる。すなわち、6700Kを十分に冷やせないのは、やはりいまいましいグリスのせいである。
まあきっと来年にはNext GenerationなグリスとかいうものをつけたSkylake Refreshが出てくるのだと思われる。
詳細設定
CPU設定
CPU Ratio [Auto] → [All Core - 41]
CPU Cache Ratio [Auto] → [39]
Minimum CPU Cache Ratio[Auto]
BCLK Frequency [Auto] → [112.3125]
BCLK、コア電圧、キャッシュ電圧等を設定する。
BCLK Step [Auto]
BCLK Reset Range [Auto]
BCLKの微調整に使用すると思われる。
Spread Spectrum [Auto] → [Disabled]
オーバークロック時はDisabledが基本
Stable Delay [Auto]
CPU Amplitude [Auto]
CPU Slew Rate [Auto]
CPU PLL ORT [Auto]
ADFC HyperGear [Auto]
謎の設定
Boost Performance Mode [Max Non-Turbo Performance] → [Turbo Performance]
とりあえず「ターボ時のパフォーマンス優先」で。
Reliability Stress Rectrictor [Disabled]
FCLK Frequency [800MHz]
おそらく、SystemAgent等の周波数だと思われる。実際にはBCLKに影響されるが、設定値の表示は変更されないので注意。選択肢は400MHz / 800MHz / 1GHz。
Intel SpeedStep Technology [Enabled]
Intel TurboBoost Technology [Enabled]
Long Duration Power Limit [Auto]
Long Duration Maintained [Auto]
Short Duration Power Limit [Auto]
System Agent Current Limit [Auto]
CPU Core Current Limit [Auto]
GT Slice Current Limit [Auto]
GT Slice Frequency [Auto]
とりあえず全部自動で。
DRAM設定
DRAM Reference Clock [Auto] → [133MHz]
メモリクロックにx1.33を付与する(133MHz) / しない(100MHz)かどうか。高クロックを狙う場合は、133MHzとする必要があるだろう。
DRAM Frequency [Auto] → [DDR4-3293 (1:11)]
メモリクロックの設定、「DRAM Reference Clock」の設定値により選択肢が異なる。
CAS# Latency [Auto] → [16]
RAS# to CAS# Delay and Precharge [Auto] → [18]
RAS# Active Time [Auto] → [36]
Command Rate [Auto] → [1]
メモリタイミングの設定。
電圧設定
CPU Vcore Voltage [Auto] → [Fixed Mode - 1.280V]
選択肢は、Auto / Offset / Fixed。ここでは簡単なFixedを選択。
CPU Load-Line Calibration [Auto] → [Level1]
負荷時に電圧を維持しようとする強さ。今回はLevel1がより強く維持しようとするようだ。ここではLevel1としており、実際には高負荷時に電圧がさらに盛られるようになる(+0.05V程度)。
GT Voltage [Auto]
GT Load-Line Calibration [Auto]
DRAM Voltage [Auto (1.250V)] → [1.380V]
DRAM Activating Power Supply [Auto (2.500V)] → [2.600V]
DDR4メモリの電圧。
PCH +1.0Voltage [Auto]
VCCIO Voltage [Auto]
VCC PLL Voltage [Auto]
VCCSA Voltage [Auto] → [1.300V]
他の構成要素の電圧設定。
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i7 6700K (Skylake) エンコードベンチマーク
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