SSDを買ってしまった

少し前になるけど、AmazonのブラックフライデーでTLCタイプ(QLCでない!)のSSDが安くなっていて(49k→40k)、つい買ってしまった。

3台。

IMG_20211207_7937.jpgIMG_20211207_7938.jpg





なにがしたいかというと、24時間動いている録画PCの静音化。同じ部屋で寝ていて(寝たとき足元の机の上にある)、夜静かになると音が気になることがあるので、これをなるべく静かにしたい。

というわけでHDDの代わりに録画PCにこれを突っ込んで、PC構成がこんな感じになった。

SSD1がWindows用、SSD2/SSD3がデータ用。

2021年2月2021年12月
CPUCore i5 7500
コア数4C/4T
クロック
3.6GHz
冷却GELID SlimHero
マザー
Asrock H270M Pro4
メモリDDR4-2400 8GBx4
SSD1SanDisk SDSSDXPS480G
SSD2Corsair MP510 1.92TB x2
HDD
SSD3
WD WUH721414ALE6L4
(14TB)
Sandisk SDSSDH3 4T00 x3
(4TB x3)
録画
P○3 x2
LAN1Intel X540-T2
LAN2Intel I350-T4 v2取り外し
OSWin 10 x64 Pro
ケースInWin IW-CE685/300P




変更前

右側にHDDが入っている。あとロープロファイルの薄型ケースなので裏配線とかはできないため、ケーブル類の配線が適当で汚い…

IMG_20211207_7932.jpg

HDDは5インチベイに装着していたのだが、そのままだとほとんど空気が流れない位置になってしまう。そうすると、どんどんHDDの温度が上がってしまうので、これを冷却するために4cmファンx3をつけていた。(つけていても夏は40℃いってしまう)

このファンが比較的音が目立つ理由の一つ。

埃だらけで汚いけどこんな感じのやつ。左右と中央のファンの色が違うのは、ファンが壊れて交換したのだけど、そのとき交換用のファンに間違えて違う回転数のやつを買ってしまうというミスをしたため…。(※これまでこのファンは2回ぐらい壊れた

IMG_20211207_7935.jpg

4cmファンは風量を確保するにはそこそこ回転数を上げないといけないのでどうしてもうるさいくなってしまうし、そもそもHDDの動作音自体がずっと回転していて、これも夜の静かな時には気になる音がする。

そこで、今回は入手したSSDを束ねてHDDの代わりにすることで、HDDと4cmファンx3という音源を両方取り外して静音PCを目指した。



変更後

HDDを取り出したあとの空間に3枚のSSDを適当に突っ込んだ。特に固定していないけど、まあSATAケーブル、電源ケーブルと合わせて入れるとそこそこいい感じに収まったので、雑だけどSATA SSDだし気にしない(笑)

このケースは薄型のロープロファイル用MicroATXケースだけど、比較的組みやすく割と気に入っている。

IMG_20211212_7975.jpg

あとケース右上の9cmファンもついでに交換。ずっとケース付属のものを使っていたのだけど、結構長く使ったので低速で回してもゴロゴロ言い始めていた。

交換先はNoctua NF-A9 PWM。このファン、黒色のバージョンもあるようで、そのほうがこのケースには合いそうだったが、ざっと探した感じなぜか黒のほうが500円高かったし、どうせケースの中はそんなに見ないのでNoctua標準色にした。

交換後はさすがはNoctuaということで非常に静かになった。

左:交換前のケース付属ファン
右:Noctua NF-A9 PWM
IMG_20211212_7972.jpgIMG_20211212_7968.jpg



HDD→SSDx3へ換装後は、稼働している音源は3つになった。

1. 吸気ファン (9cm Noctua NF-A9 PWM 1100rpmぐらいで運転)
2. CPUファン (12cm 15mm厚 GELID SlimHero付属 900rpmぐらいで運転)
3. 電源ファン (8cm 15mm厚 実働回転数不明)

結果としては、個人の主観でしかないけどやはりHDDのブーン…という音がなくなったのは大きく、とても静かになった。

おかげでほぼ音は夜中でも気にならなくなった感じで、無事目的を達成!



Sandisk SDSSDH3 4T00 4TB。TLCのSSDの中ではもともと比較的お値段安めの製品だと思う。値段を気にするならQLCという手もあるけど、QLCはちょっと書き込んでSLCキャッシュを使い切るとSSDとは思えない遅さになるし、そもそも耐久性も低そうなのでパス。

Sandisk_SDSSDH3_4T00_4TB_Info.png

素の性能はこんな感じ。ほぼSATA SSDの上限いっぱいの性能。

Sandisk_SDSSDH3_4T00_4TB_Mark.png

SSDを束ねるには、
1. BIOSのRAID0
2. Windowsディスク管理のストライプボリューム
3. Windowsの記憶域プール
(4. HW RAID)
みたいにいろいろな方法があると思うけど、今回は3.の記憶域プールを使った。

記憶域プールは詳細な設定の可能なPowerShellから作成した。

まずは対象ディスクを確認。3台のSanDisk SDSSDH3 4T00が認識できていて、CanPoolがTrueなので、記憶域プールに追加できることがわかる。


# 対象のディスクの確認
PS C:\WINDOWS\system32> Get-PhysicalDisk -CanPool $True

Number FriendlyName SerialNumber MediaType CanPool OperationalStatus HealthStatus Usage Size
------ ------------ ------------ --------- ------- ----------------- ------------ ----- ----
2 SanDisk SDSSDH3 4T00 xxxxxxxxxxxx SSD True OK Healthy Auto-Select 3.64 TB
3 SanDisk SDSSDH3 4T00 yyyyyyyyyyyy SSD True OK Healthy Auto-Select 3.64 TB
1 SanDisk SDSSDH3 4T00 zzzzzzzzzzzz SSD True OK Healthy Auto-Select 3.64 TB


記憶域プールを作成してから、仮想ディスクの作成するという流れになるようなので、まず New-StoragePool で記憶域プールを作成。


# 記憶域プールの作成
PS C:\WINDOWS\system32> New-StoragePool `
-FriendlyName "StoragePoolData1" `
-StorageSubsystemFriendlyName "Windows Storage*" `
-PhysicalDisks (Get-PhysicalDisk -CanPool $True) `
-ResiliencySettingNameDefault Simple `
-ProvisioningTypeDefault Fixed `
-WriteCacheSizeDefault 0 `
-Verbose

FriendlyName OperationalStatus HealthStatus IsPrimordial IsReadOnly Size AllocatedSize
------------ ----------------- ------------ ------------ ---------- ---- -------------
StoragePoolData1 OK Healthy False False 10.91 TB 768 MB

# 確認
PS C:\WINDOWS\system32> Get-StoragePool

FriendlyName OperationalStatus HealthStatus IsPrimordial IsReadOnly Size AllocatedSize
------------ ----------------- ------------ ------------ ---------- ---- -------------
Primordial OK Healthy True False 14.85 TB 10.92 TB
StoragePoolData1 OK Healthy False False 10.91 TB 768 MB


記憶域プールができたことを確認したら、その上に New-VirtualDisk で仮想ディスクを作成し、作成したディスクにドライブ文字を割り当てる。

-NumberOfColumns は何台のディスクに分散書き込みするかというオプション。今回は3台のSSDなので"3"。-Interleave はその分散書き込みする単位でここでは65536(64KiB)。

-ResiliencySettingName Simple は冗長化のないディスクを束ねるモード。

-ProvisioningType Fixed は、仮想ディスクの容量の確保方法で固定容量で確保するモード。今回は最大量を一気に割り当てて(-UseMaximumSize)、ディスク追加の予定もないので固定とした。


# 仮想ディスクの作成
PS C:\WINDOWS\system32> New-VirtualDisk `
-FriendlyName StoragePoolDataDisk1 `
-StoragePoolFriendlyName "StoragePoolData1" `
-ResiliencySettingName Simple `
-ProvisioningType Fixed `
-UseMaximumSize `
-NumberOfColumns 3 `
-WriteCacheSize 0 `
-Interleave 65536

# 確認
PS C:\WINDOWS\system32> Get-Disk | `
Where-Object FriendlyName -Eq "StoragePoolDataDisk1"

Number Friendl Serial Number HealthStatus OperationalStatus Total Size Partition
y Name Style
------ ------- ------------- ------------ ----------------- ---------- ----------
5 Stor... {cbce27a5-112d-4262-b0ec-11d8... Healthy Online 10.91 TB RAW

# ドライブレターの割り当てとフォーマット
Get-Disk | Where-Object FriendlyName -Eq "StoragePoolDataDisk1" | `
Initialize-Disk -PassThru | `
New-Partition -AssignDriveLetter -UseMaximumSize | `
Format-Volume


作成したディスクをコントロールパネルから見るとこんな感じで、上のほうのプールがここで作成したSanDisk SDSSDH3 4T00 x3 のプール。意図したとおり3台のディスクを束ねられている。

下のほうのプールは、もうひとつのCorsair MP510 1.92TB x2 のプール。

StoragePool_20211207_Windows.png

今回作った仮想ディスクでベンチマークをするとこんな感じ。シーケンシャルRead/Writeは素のSSDの3倍弱といった性能になっている。ただ、基本はネットワーク越しに使うので、この性能が役立つことはないのだった…。

Sandisk_SDSSDH3_4T00_4TB_x3_Mark.png

ディスクアクセス中の状態をHWiNFOでチェック。確かに3台に分散アクセスできている。

StoragePool_20211207_HWiNFO64_01.png



ちなみにアイドル電力は+StyleのスマートWifiプラグのアプリによれば25Wほど。

SSDが多すぎるせいか、10GbEのLANカードのせいか、やはりちょっと多めな気がするが、今回の換装前(HDD装着時)は36W程度だったので、少しは減らすことができた。

※たまたま22Wまで落ちているときのもの。めったにない。
IMG_20211207_7944.jpg



というわけで、HDDの代わりにTLC SSDディスクを使ってPCを静かにすることができた。

ただ、これで終わりではまずくて、SSDを3枚束ねているということは、3台のSSDのうちどれか1台でも死ぬとディスク全体が死ぬため、感覚的には普通のSSDの3倍ぐらい故障しやすそう。(細かく確率計算すると違うのかもだが…

SSDはHDDと比べ比較的故障しにくい印象だが、一方で死ぬときは突然死んで全体が一気に読めなくなるという印象もある。データが全部死ぬと思うとなかなか怖い。

一方でこれ以上散財するのはどうなのかと思い、手元にあるものでなんとかしようということで、普段あまり使っていなかったHaswell世代QSV検証用のPCがあったので、これを活用してみることにした。

CPUCore i3 4170
コア数2C/4T
クロック3.7GHz
冷却リテール
マザーAsrock Z97E-ITX/ac
メモリDDR3-2133 4GBx2
SSD1Plextor M6Pro 256GB
HDD1東芝 MN08ACA14T
HDD2WD WUH721414ALE6L4 (今回取り出したHDD)
OSWin 10 x64 Pro


今回取り出したHDDを追加接続して、1日一回

・BIOSの自動起動で1日一回起動
・ネットワーク越しにrobocopyで差分バックアップ (だいたい5分~30分ぐらい)
・すぐシャットダウン

を昼間自動で行うようにした。1日一回HDDがカリカリうるさいけど、起きている時間帯なのでそこは妥協。

まあ1日1回なので万全とは言えないだろうけど、これで万が一ディスクが死んでもある程度ダメージを抑えられそう。
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録画用?

録画用ドライブにSSDでも大丈夫なのですかね。

Re: 録画用?

申し訳ありません、「大丈夫」とはどのようなことをおっしゃっているのかわかりかねますが、SSDの寿命(耐久性)の問題でしょうか。

これまで今回取り上げたSSDを購入する以前から、Corsair MP510 1.92TBx2のほうに録画してきましたが、特に問題なく稼働しています。


今念のためCrystalDiskInfoで確認すると書き込み量は 23135h(2.64年)で49292GB なので、18664GB/年となります。(2台束ねているので1台あたりでは半減しています)

実際に使用しているCorsair MP510 1.92TBの耐久性はスペック上 3120TBW ですので、このペースでは基準到達まで167年ということで、私の使い方では耐久性は気にしなくてよさそうです。今回購入したSandisk SDSSDH3 4T00 の耐久性のスペックは600TBWとのことですが、こちらでもまあ、大丈夫でしょう。

私は1日に1~2時間程度の録画しかしないというのもありますので、全録とかしていれば危険かもしれません。

また、もちろんのことですが、一般にQLCのSSDは耐久性は低いので耐久性を気にする場合には避け、TLCのSSDを使用するべきと思います。

ありがとうございます

舌足らずでしたね。ごめんなさい。そのとおり寿命(耐久性)って意味です。
実地検証で問題なかったということなので、録画に耐えるんですね。
SSDを録画ドライブに採用を考えてみようかな。
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