Alderlake i9 12900K のQSV
今回はi9 12900Kの内蔵GPUのQSVの性能を見てみる。
基本的にはTigerlakeやRocketlakeと同じといわれているけどはてさて…?
比較したのは以下の環境。基本的にAlderlake以外のデータは前回のデータ(1)(2)と同じなので、いまとなっては古い環境もある。
使用ソフト
x264 r2988 x64
x265 3.3+2 x64
NVEncC 4.68 x64
QSVEncC 3.33 x64
QSVEncC 5.00β2 x64 (RKLのみ)
QSVEncC 6.05 x64 (ADLのみ)
VCEEncC 5.04 x64
入力 (実写)
sample_movie_1080p.mpg
MPEG2 1920x1080 29.97fps 5203frame
使用コマンド
QSVEnc/NVEncについては、おそらく画質が一番高くなるであろうオプションを試した。x264/x265はきりがないのでpresetをそのまま使用している。
なお、x264/x265では、今回入れてない--tune ssimを入れてssimに最適化したエンコをすることでさらにssim的には改善の余地があることに注意。
x264 medium
--crf
x264 veryslow
--crf --preset veryslow
x265 medium
--crf
x265 veryslow
--crf --preset veryslow
x265 medium 10bit
--crf --input-depth 10 --output-depth 10
x265 veryslow 10bit
--crf --input-depth 10 --output-depth 10 --preset veryslow
nvenc H.264
--vbrhq 0 --vbr-quality --preset quality --weightp --bref-mode each --lookahead 32 --level 5.2
nvenc HEVC
--vbrhq 0 --vbr-quality --preset quality --weightp --bref-mode each --lookahead 32 -c hevc --level 6
nvenc HEVC 10bit
--vbrhq 0 --vbr-quality --preset quality --weightp --bref-mode each --lookahead 32 -c hevc --level 6 --output-depth 10
nvenc HEVC + Bframes
--vbrhq 0 --vbr-quality --preset quality --weightp --bref-mode each --lookahead 32 -c hevc --level 6 -b 3
nvenc HEVC 10bit + Bframes
--vbrhq 0 --vbr-quality --preset quality --weightp --bref-mode each --lookahead 32 -c hevc --level 6 --output-depth 10 -b 3
qsv H.264
--la-icq --la-depth 60 -u 1
qsv HEVC
--icq -u 1 -c hevc
qsv HEVC 10bit
--icq -u 1 -c hevc --profile main10 --output-depth 10
vce H.264
--cqp:+2:+5 -u slow
--vbr -u slow
vce HEVC
--cqp:+2:> -u slow -c hevc
--vbr -u slow -c hevc
画質比較 (実写 1080p : SSIM)
画質比較については、i9 12900K(ADL)の結果は、i7 11700K(RKL)の結果と完全に一致した。
i9 12900K(ADL)の結果とi7 11700K(RKL)の結果を重ねて書いているが、グラフ上、線と点が完全に重なってしまっていて、片方見えない。

というわけで、基本的にはAlderlakeのQSVはRocketlake(そしておそらくTigerlake)と全く同じエンジンを搭載しているとわかる。前回のRocketlake記事とほとんど変わらないので、以降の画質比較はほぼ省略するが、参考までにHaswell, Kabylake, Icelake, Alderlake(=Rocketlake)を比較するとこんな感じ。

H.264に関しては、Kabylake以降は同じで、重なってしまっている。
HEVCについては、Icelake世代で大きく進化していて、以降のRocketlake、Alderlakeはこれをほぼそのまま引き継いだものとなっている。
エンコード速度
対象は実写のMPEG2 1920x1080 29.97fps 5203frame。

AlderlakeのiGPUは、Rocketlakeから32EUのままで据え置きだが、動作周波数が1300MHz→1550MHzにおよそ20%高速化している。
これを受けてH.264とHEVC mediumのエンコード速度は順当に20%高速化していることがわかる。HEVCのslowはやや伸びが控えめで10%程度だが、こちらも着実に高速化している。
やはりQSVは比較的GPUのEUの演算力を必要とするようで、EUの動作周波数の向上がきっちり反映されている。
個人的には14nmだったRocketlakeが32EUなのは仕方ないとしても、せっかく10nm(Intel7)になったのだし、Tigerlakeは96EUなのだから、デスクトップ向けにも少しはEU数を増やしてもらいたかった…。(まあ、あまり内蔵GPUは使われないということなのだろうが…)
あとはDDR5にしたらどうなるかは気になるが、DDR4マザーなのでこれは試せなさそう。動作周波数向上がほぼそのままエンコード速度に反映されているのを見ると、意外とメモリ速度(DDR4-3600)は足を引っ張っていなそうなので、あまり変わらないかもしれないが、果たして…?
基本的にはTigerlakeやRocketlakeと同じといわれているけどはてさて…?
内蔵GPU | 代表的なCPU |
---|---|
第7.5世代 | Haswell (HSW) |
第8世代 | Broadwell (BDW) |
第9世代 | Skylake (SKL) |
第9.5世代 | Kabylake (KBL) Coffelake Cometlake |
第10世代 | 幻のCannonlake (CNL) |
第11世代 | Icelake (ICL) |
第12世代 | Tigerlake (TGL) Rocketlake (RKL) Alderlake (ADL) |
比較したのは以下の環境。基本的にAlderlake以外のデータは前回のデータ(1)(2)と同じなので、いまとなっては古い環境もある。
x264 x265 | nvenc (1060) | nvenc (2070) | QSV (HSW) | QSV (KBL) | QSV (ICL) | QSV (RKL) | QSV (ADL) | vce (Vega) | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
CPU | i9 7980XE | i3 4170 | i7 7700K | i5 1035G7 | i7 11700K | i9 12900K | R3 3200G | ||
GPU | - | GTX 1060 | RTX 2070 | HDG 4400 | HDG 630 | Iris Plus | HDG 750 | HDG 770 | Vega8 |
ドライバ | 442.19 | 5058 | 7870 | 7641 | 9127 | 1002 | 20.2.1 | ||
OS | Win10 | Win11 | Win10 |
使用ソフト
x264 r2988 x64
x265 3.3+2 x64
NVEncC 4.68 x64
QSVEncC 3.33 x64
QSVEncC 5.00β2 x64 (RKLのみ)
QSVEncC 6.05 x64 (ADLのみ)
VCEEncC 5.04 x64
入力 (実写)
sample_movie_1080p.mpg
MPEG2 1920x1080 29.97fps 5203frame
使用コマンド
QSVEnc/NVEncについては、おそらく画質が一番高くなるであろうオプションを試した。x264/x265はきりがないのでpresetをそのまま使用している。
なお、x264/x265では、今回入れてない--tune ssimを入れてssimに最適化したエンコをすることでさらにssim的には改善の余地があることに注意。
x264 medium
--crf
x264 veryslow
--crf
x265 medium
--crf
x265 veryslow
--crf
x265 medium 10bit
--crf
x265 veryslow 10bit
--crf
nvenc H.264
--vbrhq 0 --vbr-quality
nvenc HEVC
--vbrhq 0 --vbr-quality
nvenc HEVC 10bit
--vbrhq 0 --vbr-quality
nvenc HEVC + Bframes
--vbrhq 0 --vbr-quality
nvenc HEVC 10bit + Bframes
--vbrhq 0 --vbr-quality
qsv H.264
--la-icq
qsv HEVC
--icq
qsv HEVC 10bit
--icq
vce H.264
--cqp
--vbr
vce HEVC
--cqp
--vbr
画質比較 (実写 1080p : SSIM)
画質比較については、i9 12900K(ADL)の結果は、i7 11700K(RKL)の結果と完全に一致した。
i9 12900K(ADL)の結果とi7 11700K(RKL)の結果を重ねて書いているが、グラフ上、線と点が完全に重なってしまっていて、片方見えない。

というわけで、基本的にはAlderlakeのQSVはRocketlake(そしておそらくTigerlake)と全く同じエンジンを搭載しているとわかる。前回のRocketlake記事とほとんど変わらないので、以降の画質比較はほぼ省略するが、参考までにHaswell, Kabylake, Icelake, Alderlake(=Rocketlake)を比較するとこんな感じ。

H.264に関しては、Kabylake以降は同じで、重なってしまっている。
HEVCについては、Icelake世代で大きく進化していて、以降のRocketlake、Alderlakeはこれをほぼそのまま引き継いだものとなっている。
エンコード速度
対象は実写のMPEG2 1920x1080 29.97fps 5203frame。

AlderlakeのiGPUは、Rocketlakeから32EUのままで据え置きだが、動作周波数が1300MHz→1550MHzにおよそ20%高速化している。
これを受けてH.264とHEVC mediumのエンコード速度は順当に20%高速化していることがわかる。HEVCのslowはやや伸びが控えめで10%程度だが、こちらも着実に高速化している。
やはりQSVは比較的GPUのEUの演算力を必要とするようで、EUの動作周波数の向上がきっちり反映されている。
個人的には14nmだったRocketlakeが32EUなのは仕方ないとしても、せっかく10nm(Intel7)になったのだし、Tigerlakeは96EUなのだから、デスクトップ向けにも少しはEU数を増やしてもらいたかった…。(まあ、あまり内蔵GPUは使われないということなのだろうが…)
あとはDDR5にしたらどうなるかは気になるが、DDR4マザーなのでこれは試せなさそう。動作周波数向上がほぼそのままエンコード速度に反映されているのを見ると、意外とメモリ速度(DDR4-3600)は足を引っ張っていなそうなので、あまり変わらないかもしれないが、果たして…?
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