Ryzen9 5950Xでベンチマーク

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前回で一通りZen3世代のPBO2を使ったオーバークロックも試したので、今度はベンチマークでZen2世代のCPUやIntelのSkylake-X (i9 7980XE)と比較してみる。

i9 7980XEは3年前の石だけど、メモリが4chだったりするなどいわゆるHEDT向けのCPUで、さらにコア数も5950Xより若干多い18コアなのだけど、どこまで5950Xと戦えるだろうか? あるいは5950Xがぶっちぎるのだろうか?


今回は、3700Xと同じコア数での比較もやってみたいなということで、UEFIから5950XのCCDをひとつだけ有効にした「5800X(偽)」も用意してみた。ちゃんとタスクマネージャでも8コアCPUに見えているので問題ないはず。最大ブーストが違う? はっはっは。気にしてはいけない…

↓ 5800X(偽) のタスクマネージャ表示。8コアCPUだ。
5950X_as_5800X_8core.png



比較するCPU



Ryzen9 5950XRyzen7 5800X(偽)
20210111_cpuz_5950X.png5950X_as_5800X_8core_02.png


Ryzen7 3700Xi9 7980XE
ryzen_3700x_cpuz.png




比較環境

CPUR9 5950XR7 5800X
(偽)
R7 3700Xi9 7980XE
定格PBO+CO定格定格定格PL240W
コア数16C/32T8C/16T8C/16T18C/36T
L2 Cache8MB4MB4MB18MB
L3 Cache64MB32MB32MB24.75MB
Boost5.0GHz5.0GHz4.4GHz4.5GHz
AVX512----Auto4.2GHz
OCDefaultPBO+CODefaultDefaultDefaultOC
Core
Voltage
AutoAutoAutoAutoAutoAdaptive
1.175+0.01
PPT/PL1142W200W142W88W165W240W
TDC95A150A95A60A
EDC140A190A140A90A
Offset+200MHz
CO-10/-15/-25
Uncore1800MHz1800MHz2000MHz3000MHz
メモリDDR4-3600
2ch
DDR4-3600
2ch
DDR4-3600
4ch
メモリ容量32GB16GB32GB
タイミング19-20-20-40-120-23-23-45-116-19-19-39-1
マザーGigabyte
B550 AORUS Master
Asrock X570
Steel Ledgend
Asrock
X299 OC Formula
冷却Fractal Design
Celsius+ S28 Prisma
Noctua
NH-D14
Corsair iCUE
H150i RGB PRO
電源Seasonic
FOCUS PX-750
ENERMAX
EPM600AWT
Seasonic
FOCUS PX-750
ケースFractal Design
Define 7 Compact LightTG
Antec
P100
Thermaltake
Core V71


Ryzen9 5950XのPBO+COとi9 7980XEのPL240Wは高負荷時にピークのCPU温度が80℃~90℃程度におさまる常用OCの限界ぐらい。7980XEは14nmプロセスのためダイサイズが大きい結果、熱密度が低めで、より多くの電力を使っても多少は温度が上がりにくい傾向にあると思う。

使用ソフト
Cinebench R15. R20, R23
7zip 19.00
Aviutl 1.00 / x264guiEx 2.65 / x265guiEx 3.101 / svtav1guiEx 0.04
x264 rev3027 x64
x265 3.4+28 x64
svt-av1 0.8.6+46



Cinebench



Cinebench R15
5950X_Benchmark_20210117_cine15.png

Cinebench R20
5950X_Benchmark_20210117_cine20.png

Cinebench R23
5950X_Benchmark_20210117_cine23.png

Cinebenchは並列がよく効くので、5950Xはぶっ飛んだスコアが出ているし、実際にベンチマークを見ていても本当に速く、見ていて気持ちいい。

5800X(偽)は同じコア数の3700Xと比べると、PPTが異なるとはいえ同じ8コアなのに3割程度スコアを伸ばしており、IPCの伸びとクロックの伸びの効果が強く感じられる。プロセス自体は7nmと変わっていないのにこの伸びはなかなか。シングルスレッドのほうで比べても同じように3割ほど高いスコアが出ていて、IPCとクロックの伸びというのを強く感じさせてくれる。

5950Xはさらにコア数が倍ということで、3700Xと比べるとほぼ倍のスコアが出ている。

コア数では勝っているはずのi9 7980XEは、オーバークロックしても全く勝てず、完全においていかれてしまっている。



7zip 19.00 benchmark



5950X_Benchmark_20210117_7zip.png

7zipでも5950Xは特にdecompressのほうが圧倒的。compressのほうはdecompressと比べるとそれほどでもないが、それでもi9 7980XEより高いスコアを出している。



x264 rev 3027 x64



Aviutlでmpeg2 1080p 5203frame(sample_movie_1080p.mpg)をlwinput.auiで読み込み、x264guiExで出力。
オプション: --preset <preset>
5950X_Benchmark_20210117_x264.png

さて本題のx264。

ultrafastは使用するコア数が非常に少ないためか、1CCD内で完結する5800X(偽)がトップに。それにしてもultrafastとはいえ、Aviutlを介したx264ベンチマークで300fpsに達するのは尋常ではない…。

その後、fast以上の重いベンチマークでは次第にコア数が効くようになってくるため、順当に5950Xがトップ。マルチスレッドの効くveryslowでは3700Xのほぼ倍の速さが出ている。

8コアの5800X(偽)でも18コア7980XEの定格を超える速度が出るのはほんと草。

もともとRyzenはx265と比べるとx264は比較的得意としているのもあって、5950Xは7980XEと比べて常に速く、特に軽めのプリセットではIPCの差が目立ってくるのか、大きく引き離している。



x265 3.4+28 x64



同様にAviutlでmpeg2 1080p 5203frame(sample_movie_1080p.mpg)をlwinput.auiで読み込み、x265guiExで出力。
オプション: --crf 21 --output-depth 8/10 --preset <preset> (--asm avx512)

x265 8bit
5950X_Benchmark_20210117_x265_8.png

x265 10bit
5950X_Benchmark_20210117_x265_10.png

3700X→5800X(偽)を比べると、やはりZen3で大きく性能を伸ばしているのがわかる。x265の場合、一番並列が効きやすいのはmedium~slowあたりな気がするので、このあたりで8コア→16コアの差が大きく、それ以外は16コアにすることで速度は確かに上がるものの、多少頭打ち感が出てしまっている。実際、2つめのCCDの使用率は常時低めになっている。

Intelとの比較という点では、もはやx265をどちらかというと苦手としていたかつてRyzenの名残はなく、7980XEよりも常に一定以上速いという感じになっている。i9 7980XEではAVX512も多少は効いているはずだが、x265では5950Xとの性能差をひっくり返すほどの威力はないみたい。



svt-av1 0.8.6+46



同様にAviutlでmpeg2 1080p 5203frame(sample_movie_1080p.mpg)をlwinput.auiで読み込み、svtav1guiExで出力。
オプション: --input-depth 8/10 -q 30 --preset <preset>

svt-av1 8bit
5950X_Benchmark_20210117_svtav1_8.png

svt-av1 10bit
5950X_Benchmark_20210117_svtav1_10.png

svt-av1はどちらかというと軽めのプリセットのほうがCPU使用率が高い感じ。

基本的な傾向はx265と変わらない。5950Xはやはり非常に速い。



だいたいまとめると

「Zen3は、、、速い!」

としか書いていない内容になってしまった。しかし、今回自分でやったベンチマークはもちろん、他所のベンチマークでもZen3は死角なく速いということなので、まあ仕方ない。(思考放棄)

今回比較してしているZen2が3800Xでなく3700Xというのもあるけど、Zen2→Zen3の性能向上幅は思った以上に大きく、Zen3ではZen2の一段コア数が多いCPUと同程度の性能というのもうなづける出来になっている。

正直、一世代でここまで性能が伸びるのは珍しいので、感動してしまった。単にコア数が増えて性能が上がったというだけでなく、PCの応答速度といった実際の使い勝手にも明らかに効果のあるシングルスレッド性能が大きく引き上げられているというのが素晴らしい。



かつて5950Xの2倍以上の値段のしたi9 7980XEは、やはりもう3年前の石ということもあって完全に過去のCPUとなってしまった。5950Xのほうがマルチスレッドもシングルスレッドも速いうえに消費電力も低く静かなので、悲しいかな、勝てるのは暖房性能のみだった。冬はともかく、夏は動かしたくなくなってしまいそうで悲しい。

現行の10980XEだともう少し戦えるのかもしれないけど、あれもSkylake-X改2みたいなのだしどうなのだろうか…。Intelは今後14nm版IceLakeとなるRocketLakeで反撃する予定のようなので、14nmでどこまで追いつけるのか、こちらも楽しみにしたいと思う。


そうはいっても、Intelのプロセスの問題で、今後しばらくは少なくともコア性能ではAMDの優位が続きそう。IntelはBroadwellぐらいから性能向上が鈍化してしまった感があるけど、AMDにはIntelの二の舞にならないよう、Zen4以降も引き続き性能向上していって、今回みたくわくわくするCPUを出していってほしいなと思う。



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No title

Intelまでもがただでさえ逼迫しているTSMCのラインを使うんじゃないかという話が出ていて恐ろしいですね。
これ以上一極集中が進むと、TSMCがプロセス開発でコケたりしたらみんなてんわやんわになりそう。

No title

ebayなんか見てるとかつて憧れたxeon v3 v4なんかが安くて思わず飛びつきたくなりますけど、7980でここまで差が出るなら大人しくryzen買ったほうが幸せになれそうですね

No title

>TSMC
おっしゃるようにどんどんTSMCへの一極集中が進んでいる感じですね。
独占に近くなるとあまりいいことがないので、Intelも自社の7/10nmで頑張ってほしいところですが、当面はTSMCも使っていかないと厳しいのでしょうね。

>7980でここまで差が出る
正直ここまで差が出ると思ってなくて私も驚きました。7980XEが出たころは凄く速いと思ったのですがね。

No title

x264x265エンコード派が唸るほどのデータ量ですね
いや~ご苦労様です
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アニメとか見たり、エンコードしたり。
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