Ryzen 7 3700X のキャッシュ速度
前回の全体的なベンチマークに引き続き、Ryzen 7 3700Xのキャッシュの速度を比較した。
比較環境
まずは、シングルスレッドの結果から。
おおむね32KB/256KB/16MBのところで、L1/L2/L3/RAMの階段がきちんとできていることから計測は正常にできているみたい。ただ、BIOSのPOSTに何度も失敗しているあたり、メモリの速度はちゃんとは出ていないかも…?
L1キャッシュの帯域は1700からほぼ倍増していて、7700Kとほぼ一致するものとなっている。やはり、データパスをZen2で16bytex2/cycleから32bytex2/cycleに拡張したことが効いているのと、シングルスレッドでは4.4GHz近くまで上がる効果だと思う。
L2/L3も1700から2倍とは言わないまでも高速化しており、7700Kより高速かつ大きなキャッシュとなっていることがわかる。
3700Xの結果で面白いのはこのシングルスレッドの測定ではL3キャッシュのサイズが16MBに見えていること。これはやはりCCXが4コア構成のため、1つのコアからはCCX内のL3しか見えないのだと思われる。

次にマルチスレッドの結果。
まあシングルスレッドの結果から予想はつく結果だが、3700Xは1700から大幅に高速化しており、非常にインパクトがある。なお、こちらではL3/RAM境界が32MB前後まで伸びており、CCXを両方使えばきちんと32MBのキャッシュの恩恵を確認することができる。

というわけで、Zen2ではキャッシュ帯域のほうも順当に高速かつ大容量化され、全体の高速化に寄与していると思われる。
Zen2のキャッシュの唯一の難点はCCX分割な点だが、分割されても16MBもあり、9900Kが8コアで共有するL3と同容量(!)なので、あまり問題ではないのかもしれない。
比較環境
CPU | R7 3700X | R7 1700 | i7 7700K |
---|---|---|---|
コア | 8C/16T | 8C/16T | 4C/8T |
動作周波数 | 3.6GHz-4.4GHz (定格) | 3.0GHz-3.7GHz (定格) | 4.5GHz (OC:固定) |
Uncore | N/A | 4.2GHz | |
L3 | 32MB | 16MB | 8MB |
RAM | DDR4-2400 | DDR4-2400 | DDR4-3600 |
Timing | 16-16-16-39-2 | 16-16-16-39-2 | 19-23-23-45-2 |
M/B | Asrock AB350 Pro4 | Asrock Z270 Gaming-ITX/ac | |
OS | Win10 x64 1903 |
まずは、シングルスレッドの結果から。
おおむね32KB/256KB/16MBのところで、L1/L2/L3/RAMの階段がきちんとできていることから計測は正常にできているみたい。ただ、BIOSのPOSTに何度も失敗しているあたり、メモリの速度はちゃんとは出ていないかも…?
L1キャッシュの帯域は1700からほぼ倍増していて、7700Kとほぼ一致するものとなっている。やはり、データパスをZen2で16bytex2/cycleから32bytex2/cycleに拡張したことが効いているのと、シングルスレッドでは4.4GHz近くまで上がる効果だと思う。
L2/L3も1700から2倍とは言わないまでも高速化しており、7700Kより高速かつ大きなキャッシュとなっていることがわかる。
3700Xの結果で面白いのはこのシングルスレッドの測定ではL3キャッシュのサイズが16MBに見えていること。これはやはりCCXが4コア構成のため、1つのコアからはCCX内のL3しか見えないのだと思われる。

次にマルチスレッドの結果。
まあシングルスレッドの結果から予想はつく結果だが、3700Xは1700から大幅に高速化しており、非常にインパクトがある。なお、こちらではL3/RAM境界が32MB前後まで伸びており、CCXを両方使えばきちんと32MBのキャッシュの恩恵を確認することができる。

というわけで、Zen2ではキャッシュ帯域のほうも順当に高速かつ大容量化され、全体の高速化に寄与していると思われる。
Zen2のキャッシュの唯一の難点はCCX分割な点だが、分割されても16MBもあり、9900Kが8コアで共有するL3と同容量(!)なので、あまり問題ではないのかもしれない。
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