Ryzen 7 3700X ベンチマーク

まだ起動が安定していなくて、本来はその原因を先に調べるべきな気もするが、それは後回し。

OSさえ起動してしまえば安定するので、運良く立ち上がった際にざっとベンチマークをとってみた。

まずは、Ryzenの新旧世代対決ということで、Ryzen7 1700とRyzen 3700Xを比較。おまけで7700K(オーバークロック状態)も追加してあるが、これは4コアなので、あまり良い比較とは言えない。

※7700Kはなんで定格じゃないんだとか、突っ込まないでくださいね…。単に設定戻すの忘れました…。

やはり本来は9900Kと比較するのがよいのだが…。

比較環境



CPU R7 3700X R7 1700 i7 7700K
コア 8C/16T 8C/16T 4C/8T
動作周波数 3.6GHz-4.4GHz (定格)
3.0GHz-3.7GHz (定格) 4.5GHz (OC:固定)
Uncore N/A 4.2GHz
L3 32MB 16MB 8MB
RAM DDR4-2400 DDR4-2400 DDR4-3600
Timing
16-16-16-39-2 16-16-16-39-2 19-23-23-45-2
M/B Asrock AB350 Pro4 Asrock Z270 Gaming-ITX/ac
OS Win10 x64 1903


使用したソフトウェア
Cinebench R15.037
Cinebench R20.060
y-cruncher 0.7.7
7-zip 19.00
x264 rev2696
x265 3.1+2



Cinebench



みんな大好きCinebench。

マルチスレッドで1700を大きく超えるスコアを出していることも目を引くが、注目したいのはi7 7700K @ 4.5GHzを上回るスコアをシングルスレッドでたたき出していること。

Zen/Zen+は、Skylakeと比べるとシングルスレッド性能がもう一歩というところだったが、Zen2でSkylakeと同等、あるいはそれを上回るぐらいまで来ているということになる。

benchmark_3700x_default_cine_r20.png

benchmark_3700x_default_cine_r20.png




y-cruncher



y-cruncherでπ計算を1b桁求める際の計算時間を比較。計算時間なので、値が小さいほど高速。

SIMDを酷使するy-cruncherは、AVX2を128bitx2で実行するRyzen 1700ではいまいちな結果となっていたが、3700XでAVX2/FMA3がフル実装されたことで、大幅に高速化されたことがわかる。

benchmark_3700x_default_y_cruncher.png



x264



ここからが本命のx264/x265。まずはx264から。1080pのsample_movie_1080p.mpg(5203frame)を変換したときの速度を比較した。

旧世代のRyzen7 1700では、重いプリセットではコア数の多さを活かして7700Kに対して高速にエンコードできていた一方、軽いプリセットではクロックの低さとシングルスレッド性能の低さから、4コアの7700Kに負けてしまう状態となっていた。

Ryzen7 3700Xでは、全体的に大きく高速化されて、1700と比べ1.5倍程度の圧倒的な速度を達成しているほか、クロックやシングルスレッド性能の改善により軽いプリセットも高速に実行できるようになっている。

benchmark_3700x_default_x264.png




x265



こちらも1080pのsample_movie_1080p.mpg(5203frame)を変換したときの速度を比較した。

y-cruncherのところでも書いたように、旧世代のRyzenはAVX2命令を128bitx2に分割して2サイクルで処理する必要があるため、256bitを1サイクルで処理するIntel CPUに比べてAVX2命令の実行が遅くなってしまっていた。そのため、比較的AVX2の効果の大きいx265は、旧世代のRyzenが苦手とするものの一つとなっていた。

3700Xでは、AVX2がフル実装され、256bitを1サイクルで処理できるようになったことで、x265を大幅に高速に実行できるようになっている。

…ついに、x265ばかりするからといって、Ryzenを敬遠する必要がなくなった…!

benchmark_3700x_default_x265.png



終わりに



…ついに、x265ばかりするからといって、Ryzenを敬遠する必要がなくなった…!

個人的には、この一言に尽きるのですが、まあそれはともかく。

Zen2に進化した3700Xは、同じコア数の1700から大幅に速度が上昇していて、素晴らしい。1700からの置き換えではx264/x265で1.5倍近い速度が出ることもあり、2年でこれだけ性能が上がったと考えると驚異的だと思う。

旧世代のRyzenは、マルチスレッドの効く処理についてはよい性能を発揮する一方、どうしてもシングルスレッド性能やAVX/AVX2命令の実行速度に弱点を抱えていた。しかし、Zen2に進化した3700Xは、こうした弱点がきっちり潰されていて、弱点らしい弱点のないCPUになっている。

他所のベンチマークをみると、これまでRyzenの苦手としていたゲームでも9900Kに近い性能が出るようになっているとのことで、「ゲームやエンコードはIntel」という感じを覆すCPUになっている。CPU性能で大きくおいていかれていたBulldozerの時代を思い起こせば、ほぼSkylakeに並んだ画期的なCPUだと思う。

12コアの3900Xや16コアの3950Xは、試せていないがおそらくさらに高い性能が出るのだと思う。最上位の3950Xが出るのが非常に楽しみ。

…まあ、SkylakeからIPCを積み増したIcelakeが出ていれば、また違った評価になってしまっていたのだろうけど、いかんせんIcelakeのデスクトップは出る気配もないので…。



ところで、1700→3700Xでは、アーキテクチャの進化によるIPC向上のほか、クロックの向上も含んで大きな性能向上を果たしている。

じゃあ、Zen/Zen+ → Zen2でクロック当たりの性能はどうなの、とか、IntelのCPUと比べるとクロック当たりの性能はどうなの、とかそのうち見ていきたい。



さて、再度接触不良とかないか見直しますかね…。

いまの感触だとオーバークロックはうまくできそうにないので、今回は多分しません…。
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