前回確認した
Winodws11がRyzenのL3キャッシュのほとんどを見失う問題について、
Release Previewでは修正されているということだったので、これを確認してみた。
実際に無事修正されているようで、Win10と同等の性能に戻ることが確認できた。近日中に通常のWindows Updateでも修正が行われると思うので、個人的にはこれでRyzenPCもWin11に移行できそう。
使うのは前回と同じで
いつもの自作プログラムで、環境は以下の通り。
Windows11のバージョンはこんな感じで、Release Preview適用により22000.282にアップデートされた。

キャッシュ・メモリのレイテンシ
まずはアクセスのレイテンシのうち、最初はキャッシュの構造の見やすい少し規則性のあるアクセスパターンから。
5950Xは一つのコアから見えるL3キャッシュは32MBなので、Windows10ではそのぐらいまでレイテンシが低い状態が続き、まあこれが想定される状態なのだけど、Windows11(22000.194)では2MB(2048KB)ぐらいから急激にレイテンシが上昇し、メモリアクセスと変わらない感じになってしまっていていた。
修正版のWindows11 (22000.282)ではこれが解消し、Windows10の線ときれいに重なっている。

完全ランダムアクセスの場合も同様で、修正版のWindows11 (22000.282)ではWindows10の線ときれいに重なっている。

キャッシュ・メモリ帯域
今度はシングルスレッドの帯域。
Windows10では32MBまでL3キャッシュによると思われる高い帯域が持続するが、Windows11では2MB(2048KB)以降メモリアクセスと同等に向かっていくような感じになってしまっていた。
これが修正版のWindows11 (22000.282)ではWindows10のときと同じ挙動に戻っている。

最後にマルチスレッドの帯域。
Windows11(22000.194)では16MBぐらいでストンと落ちてしまっていて、それ以降のL3キャッシュが見えていないかのようだったのだけど、Windows11 (22000.282)ではちゃんと修正されていて、だいたい64MBぐらいまで高速にアクセスできている。

というわけで、Windows11で発生してたRyzenのL3キャッシュを見失うという問題が無事解消されていることが確認できた。
なお、今回はRelease Previewで試したが、この修正は近日中に通常のWindows Updateで更新されるみたいなので、一安心だろうか。
おまけ
今回の測定は、クリーンインストールしたWindows 11で行った。
最初はアプリのインストールやら設定が面倒なので、普通にWin10からアップグレードしようとしたのだが、なんかアップグレードしたら怪しい状態になってしまった。一度前回のテスト後、
性能の低下を嫌ってWindows10にロールバックしていて、その状態からさらにWindows 11 インストール アシスタントでWindows11にしようとしたせいかもしれない。
どういう状態かというと…
・表示はWindows11
・角が丸っこいのもWindows11
・エクスプローラのリボンの表示はWindows10っぽい
・タスクバーの感じはWindows10のまま (しかもスタートボタンは反応しない)

という、Windows10と11をごちゃまぜにしたような怪しい状態。動いてはいるし、なんか設定とかで解決するのかもしれないけどなんか不穏だ…。
気持ち悪いので、もうクリーンインストールしてしまうことにした。クリーンインストール自体は特に問題なく完了。再びWindows11環境に戻ってきた。
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