寿命が短いというと、フロッピーとかSDカードとかで、調べるとだいたい5年~10年とかと書いてあって、やっぱり結構短めだ。というかSDカード等のフラッシュ系って2~3年しか保たない印象あるが…、まあそれはいいか…。
経緯とか
最近、わりと昔に録画したDVDを再生しようとしたら、読み込んでくれなくて、「フォーマットしてください」とか言われてしまった。いやいや消しちゃあかんから…。
思い返せば、DVDレコーダなるものを導入したのは2004年ぐらいで(たぶん)、そうするとそこからは14年たっているわけで、さっき調べた「寿命」を考えれば、そろそろ危ないのかな、ということになる。
そこで、とりあえず今後も保存しておきたいデータをHDDに移行することにした。
まあ、最近のDVD/BDレコーダだとCPRM(いわゆるコピー10とか)がかかってしまって録画したDVDのバックアップとかできないわけなのだが、当時はアナログ放送だったのでそんなものもなかったし、地デジチューナー搭載のDVDレコーダを買っても(アナログ停波までは)あえてアナログ放送を録画していたので、DVDを読めさえすればコピーは問題なくできるのだった。(まあある時期から〇V4を買ったりしたわけだが…)
ちなみに、こうした録画データはTVMW6で読み込みからエンコード(x265)まで全部やってしまうのが便利。やはりDVDを読み込んで一括でフィルタをかけてバッチ登録して…といったあたりを手間をかけずにできるのはいいと思う。とはいえ、読み込んだ枚数が多かったので、3台のDVD/BDドライブを同時に使って読み込んだにもかかわらず、3週間程度かかってしまった。毎日DVDをちょこちょこ入れ替えるのはなかなかめんどう…。
今回読み込んだDVDについて
外観: めっちゃ多い。
対象メディア: DVD-RAM 362枚、DVD-R 138枚、合計500枚
書き込み時期: 2004年~2011年 (大半は2009年ごろまで)
保管状態木製の引き出しに入れていたので、直射日光等の問題はないはず。温度は室温に準ずるわけで、まあ、夏は暑かっただろう。夏の関東地方では理想的な保管状態を維持するのはどう考えても無理っぽい。
書き込んだDVDレコーダ:Victor DR-MF1Panasonic DIGA DMR-EX200V ※まだ稼働中
読み込みドライブPioneer BDR-209XJB x2 (BDXL対応、SATA-USB3.0変換で接続)
Buffalo DVSM-XL1218U2 (USB2.0 DVDスーパーマルチ)
読み込み結果(読み込みエラー枚数の確認)
上に書いた3台の読み込みドライブのうち、一台でもDVDの論理構造を読み込めれば、「読み込めた」ものとし、論理構造すら読み込めなかった(Windowsにファイル構造が認識されかった)もののみを「読み込みエラー」とした。実際には、「読み込めた」もののなかでも、映像データが破綻し、いわゆる「ブロック割れ」することがあったが、今回はそれは考慮していない。
まずは枚数の多いDVD-RAMから。
メディアの種類 | メーカー | | | 速度(倍速) | エラー枚数 | 全枚数 | エラー率 |
DVD-RAM | Maxell | カラー |  | 2倍 | 1 | 18 | 6% |
銀 |  | 2倍 | 16 | 87 | 18% |
銀 |  | 3倍 | 6 | 10 | 60% |
TDK | カラー |  | 2倍 | 0 | 3 | 0% |
白インクジェット |  | 2倍 | 0 | 2 | 0% |
Mitsubishi | カラー |  | 2倍 | 1 | 12 | 8% |
Victor | カラーインクジェット |  | 2倍 | 0 | 14 | 0% |
Panasonic | 白 |  | 2倍 | 10 | 75 | 13% |
濃青 | | 2倍 | 0 | 31 | 0% |
白インクジェット |  | 2倍 | 3 | 18 | 17% |
黒 |  | 2倍 | 0 | 7 | 0% |
白 |  | 3倍 | 33 | 42 | 79% |
北京五輪 |  | 3倍 | 1 | 12 | 8% |
金 |  | 3倍 | 0 | 13 | 0% |
濃緑 |  | 3倍 | 2 | 18 | 11% |
DVD-RAM 2倍速 合計 | 31 | 267 | 12% |
DVD-RAM 3倍速 合計 | 42 | 95 | 44% |
DVD-RAM 合計 | 73 | 362 | 20% |
20%死亡…という、なかなか悲しくなってしまう数字。というか泣きたい。
特定のメディアのシリーズに集中してエラーが発生している傾向にある。なかには連続10枚死亡、というのもあって、寿命的に外れロットだったのか、あるいは書き込みドライブの調子が悪かったのか…。
メディアの品質というのも気になるところだが、より速い3倍速のメディアでエラーが多いことから、やはり高速書き込みはリスクが高いみたい。書き込み時間が30分から20分になるので便利だったのだが…。
※そもそも使用していたDVDレコーダでは、あえて遅い速度で書くことはできない。
次にDVD-R。
種類 | メーカー | | | 速度 | エラー枚数 | 全枚数 | エラー率 |
DVD-R | Victor | カラー |  | 8倍 | 0 | 17 | 0% |
Sony | カラー |  | 8倍 | 1 | 24 | 4% |
Panasonic | カラー |  | 8倍 | 3 | 23 | 13% |
TDK | カラー |  | 8倍 | 0 | 2 | 0% |
不明 | カラー |  | 8倍 | 0 | 10 | 0% |
Maxell | カラー |  | 8倍 | 0 | 10 | 0% |
富士フィルム | カラー |  | 8倍 | 0 | 40 | 0% |
富士フィルム | カラー |  | 8倍 | 0 | 12 | 0% |
DVD-R 合計 | 4 | 138 | 3% |
こちらは比較的優秀で、エラーは3%。昔、有機色素なDVD-Rに比べて、無機色素を使っているDVD-RAMのほうが耐久性が高いようなことを聞いた記憶があるが、そんなことはなさそうな結果だ。
もっとも、DVD-Rといえば、20倍速だの24倍速だのがでてきたわけで、そういうのを使っていれば違った結果になっていたのかもしれない。
今後のデータ管理
というわけで、DVD-RAMの20%が死亡するという、なかなか悲しい結果になってしまった。ただ、これだけ数を集めると、なんとなく傾向がわかってくると思う。やはりメディアのシリーズによって違いがありそうな気がするし、速度を上げて書き込むのはリスクが高そうだ。
そうはいっても、こういうDVDの寿命とかいうのは、いま年月が経ったからわかるのであって、DVDを買ったときにはわからないのが難しいところだ。(まあ、記録面を見れば品質がわかるプロの人もいるかもしれないが、ちょっとわたしにはそんな技能はない…)
今後のデータの保存という点では、HDDがどんどん大容量化したことで、もう光メディア(BD)での管理はメディアの記録容量の問題と、容量単価的に厳しくなりつつある。場所をとるのもちょっと問題。
HDDは駆動部品の多い機械なので、機械的な故障確率が高いので不安はあるけど、やはり圧倒的な大容量と容量単価の安さは魅力的。とりあえず違うメーカー同じ容量のHDDを1台づつ買って二重にデータを書いておいて、3~5年ぐらいで定期的にHDDを更新していくのがいまはベストなのかなあと思う。
大容量なので、データを移動するときにもDVD/BDのようにちまちま入れ替える必要がなく、1日ほおっておけばコピーが終わるのも手間がかからなくていい。ただ、大容量なぶん、死んでしまうとダメージが大きいので、2台同じものを作っておいてどちらかが壊れてもよいようにするのは重要だと思う。
データの移行は繰り返されるが…
今回移動したデータの中にはかつて8mm/VHS→DVDに移行したものもあって、今回それをさらにHDDに移行したことになる。
今回痛感したように、メディアには寿命がある。そうすると、時代に合わせてメディアを移動していくことが、データを長期間保存していくには不可欠だと思う。
ところが、それを阻むものがある。むろん、あのコピー10とかいう厄介なやつだ。
うえのほうで、あえてアナログで録画していたと書いたが、どうしても放送時間がかぶってしまい、〇V4 or アナログチューナーが足りずに地デジを録画したことがあった(まあ、優先度は低いのだけど)。これらを保存したDVDは当然CPRMがかかっており、そのまま置いておくしかない。それはつまり、いつか劣化して寿命を迎えるのを待つほかない、ということだ。
今回、かつてVHSにあった大昔のデータもDVDを経由してHDDに移り、圧縮劣化はしたものの今後も当分は保存していけるだろうと思う。その一方で、より最近の地デジのデータがおそらくそれより先に消えることになるんだろうなと思うと、なんだかなあ、と思わずにはいられない。
まあ、最近は動画等のコンテンツも自分で保存する時代ではなく、定額サービスなどに加入して視聴するのが一般的なのだろうが…。