- QSVEnc/NVEnc用に「CM品質オフセット」を追加。本機能使用時には、QSVEnc 7.54、NVEnc 7.37への更新が必要です。- QSVEncでもCMビットレート倍率に対応。
Amatsukazeでは、出力選択を「通常」にしてCMをカットしない場合に、CM部分のビットレートを下げてファイルサイズをより小さくする「CMビットレート倍率」という機能がある。
ただ、これは基本的にはx264/x265用の機能になっていて、ビットレート倍率を指定する機能のないハードウェアエンコードの場合の対応は限定的だった。
具体的には、QSVEnc/VCEEncは非対応、NVEncの場合は自動ビットレート指定の場合にだけ使えるようになっていた。
個人的には自動ビットレート指定はあまり使わず、NVEncの--qvbr、QSVEncの--icqなどの品質指定系のオプションをよく使っている。なので、これを使うときにもCM部分のビットレートを下げてエンコードしたいな、ということで、「CM品質オフセット」というオプションを追加した。(NVEncの "--qvbr x" は "--vbr 0 --vbr-quality x" の省略系)
どういう動作になるかというと、例えばQSVEncで--icq 28、CM品質オフセットを8と指定すると、本編と判定された箇所はそのまま--icq 28、CMと判定された箇所は--icq 36でのエンコードになる。--icqは値が大きいほど高圧縮になるので、CM部分のサイズを圧縮することができた。
これは出力フォーマット「TS (replace)」のときに便利かなあと思っていて、tsreplaceを使うときはCMカットできないのだけど、この「CM品質オフセット」と組み合わせてよりサイズ圧縮ができて便利。
実際に下記設定で実行してみた。
入力: 約30分 2.10GB
設定: QSVEnc、tsreplace、KFM(VFR)、DecombUCF、デブロッキング
オプション: -c hevc --output-depth 10 --icq 28 -u best --gop-len 90 -b 3 --ref 4 --open-gop --i-adapt --b-adapt --b-pyramid --adapt-cqm --fade-detect
CM品質オフセットなし: 408MBCM品質オフセットあり(+8): 322MBビットレートの分布を見るとこんな感じで、黄色く囲んだCMのところだけビットレートが低下して、ほかの部分(本編)では従来のままというエンコードができている。

まあ、本編の圧縮率の高めな番組を選んでテストしているのもあるけど、それなりに効果がありそう。
ダウンロード>>